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11月11日 オーストラリア皆既日食観測ツアーレポート


オーストラリア皆既日食観測ツアー 出発

 金環日食、金星日面通過、木星食、金星食と、珍しい天文イベントが目白押しだった2012年の最後を飾るオーストラリア皆既日食観測ツアーの参加者は全部で13名様。
11月11日(日)の午後、成田、静岡、名古屋、関西からそれぞれ中国東方航空で出発し、上海空港で合流して一路・シドニーまで10時間のフライト。
翌12日の昼にほぼ定刻で到着した後は、カンタス航空の国内線で皆既日食の舞台・ケアンズへ。


 ケアンズ到着は午後3時半。
するとまさかの強い雨。。。 
ケアンズは熱帯雨林気候で、雨季でなくても降ったりやんだりは良くあることだが、いきなり雨の出迎えはさすがにちょっと心配になってしまう。この日の夕食は、エスプラネード沿いのレストランのバルコニーにてシーフード・ブッフェをお楽しみいただいたが、その最中にも短い時間ながら突然の豪雨があり、みなさんなかなか食事どころではない様子。


 翌13日は、午前4時半にホテルを出発。
24時間後に迫った皆既日食に備え、観測場所であるワンゲッティ・ビーチで日の出の角度や足場の確認。
過去数度の下見の時と同様、水平線近くだけに雲が湧いているが、明日もこの状態ならなんとか皆既は期待できそうか。。。


下見も済ませて、あとは当日を迎えるだけ。
ホテルに戻って朝食を済ませた後は、ケアンズの観光。
まずは、オーストラリア特有の動物を集めたトロピカルズーへ。
ツアーに含まれているコアラとの記念撮影を済ませ、カンガルーやウォンバット、クロコダイル、ワライカワセミなどの観察を楽しんでいただいた。


午後は、世界遺産・キュランダへ。
鬱蒼と茂る熱帯雨林に囲まれたオープンスタイルのレストランでは、オージービーフやバラマンディ(スズキ)、チキンの他、オーストラリアならではのクロコダイルとカンガルーのソーセージを体験!



最後は、人気の高原列車・キュランダ鉄道で、熱帯のジャングルを縫うように走る1時間40分の列車の旅。

ケアンズ市内に戻った後は、夕食を済ませて早めにホテルへ。
明日午前0時(つまり深夜12時)の出発に向け、みなさん準備万端!



皆既日食

 今回のツアーでは、南十字星をはじめとする、南半球の星空も楽しみのひとつ。
午前0時にホテルをチェックアウトし、ワンゲッティ・ビーチに到着したのは午前1時前。
途中、少し雨が降ったにもかかわらず、ビーチに出てみるとちょうど雲も晴れ、日の出までの間、南十字星や大小マゼラン雲、南天の天の川、逆さまのオリオン座などを楽しむことができた。

 日の出は午前5時35分。
水平線近くの雲の切れ間から待ちに待った今日の主役・オレンジの太陽が顔を覗かせた。
第一接食は直後の5時44分だが、日の出直後に黒い雲に隠れてしまい、残念ながら観測できず。
日の出直前までは比較的晴れ間が多かったが、日の出以後は断続的に雲が押し寄せてはなかなか太陽が姿を出さない状態が続き、次に姿を現したのは、70%近くも欠けた午前6時22分。
その後も次々と雲がやって来て、あっという間に午前6時37分。
第二接食まであと1分。

午前5時25分 日の出 午前6時22分 食分70%
午前6時31分 食分90% 午前6時36分 食分95%


途切れ途切れながら、なんとか雲を通して確認できていた太陽は、なんと第二接食のダイヤモンドリングまであと数秒のところで無情にも雲の中。。。 惜しい!

午前6時37分 食分98% 午前6時38分 食分99%


そして皆既の午前6時38分14秒。
あたりは一瞬にして薄暗くなり、気温も下がって寒いぐらい。
ケアンズは完全に月の影へと入り、遥か水平線は夕焼けのように染まった。


皆既中 ~ 皆既後

皆既で気温が下がったことで、また新たに出てきた雲にも覆われ、残念ながら第三接食の時間も過ぎ、この時点で今回の皆既は見えないまま終了。次に姿を現した太陽は、皆既を終えたばかりの食分97%の細い姿。
※赤い太陽の画像は、専用フィルターを通して撮影したもの。

午前6時41分 食分97% 午前6時42分 食分95%

第二接食から第三接食の間だけ完全に雲に覆われ、その前後が観測できるという、なんとも悔しい結果となってしまった。その後、太陽がその姿を取り戻すにつれ気温もぐんぐん上昇し、あっという間に立ち込めていた雲はきれいになくなり、真夏のような太陽がギラギラと輝き、すべての過程を終えた。

観測を終えた後は、ビーチから空港へ直行し、昼過ぎの便でシドニーへ。ホテルで休憩の後、シドニー湾のディナークルーズ。ライトアップされた世界遺産・オペラハウスやハーバーブリッヂを眺めながらのコースディナーをお楽しみいただいた。

 


翌11月15日は、空港への途上、オペラハウスとハーバーブリッヂを望むミセス・マッコーリーズ・ポイントへ立ち寄り、参加者全員で記念撮影。

上海に戻って1泊した後、最終日となる11月16日、上海空港にて皆様と別れを告げ、それぞれの便で帰途につ
きました。

今回、ケアンズが熱帯に位置し、更に雨季直前ということで、多少の雲と雨は当初から予測できていたものの、皆既日食の代名詞であるダイヤモンドリングと皆既中の黒い太陽のほんの数分間が完全に雲に隠されてしまい、その前後が観測できるという大変残念な結果となってしまい、参加者のみなさんのご心中もいかばかりかと察する次第ですが、随所で暖かいお言葉をいただいたり、日食ツアー特有の時間的に厳しいスケジュールにもかかわらず、心良くご協力いただき、滞りなく無事にツアーを終えることができました。改めて、心より感謝を申し上げます。


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